作品コンセプト

現代のデジタル写真は従来の様々な『境界線』を超越し、様々なものを融合していく。
『真実』と『虚像』の境界
『紙』と『それ以外のメディア』の境界
『ある写真』と『別の写真』の境界
これらの境界はデジタル技術によりあいまいになり融解していく。

デジタル技術の恩恵により、『真実とは異なる画像』を容易に作り出すことが可能になり、写真の持っていた『真実性』は崩壊し、『真実』と『虚像』の境界は揺らいでいる。

かつて写真は『紙』を媒体としていた。しかしデジタル写真においては、その媒体となるメディアの種類が紙以外のものにまで広がっている。
液晶の画面、トラックやバスのラッピング、マグカップ、Tシャツ、トートバック、切手、キャンバスなど自分が撮影した写真を様々なメディア上で表現することが可能になった。
かつてあった『紙』と『それ以外のメディア』の境界は崩れている。

以前から『ある写真』と『別の写真』を合成する技法は存在した。
しかし、デジタル写真においては『合成』はさらに高度になり、色彩、明度など様々なパラメーターをピクセルごとに様々な種類の計算を行うことで元の写真とは全く異なったイメージを作り出せる。

かつての『合成写真』では完全に取り払えなかった『二枚の写真の境界線』はデジタル技術により取り払われ、『複数の写真がまるで元々あった一つの写真』のように融合される。

Melting Border (Light without a source)

デジタル合成により、光源がないにも関わらず『光のような』イメージが現れたり、弱い光のイメージが複数の写真が重なることで『強烈な光のイメージ』に変化していくこともある。

また複数の写真の色合いの重なりと合成の際のアルゴリズムにより、撮影時には存在しなかった『色』が現れることもある。

『撮影時には存在しなかった光や色』がデジタル合成により生成されたシリーズ。

Melting Border (Transformation)

ほぼ同じ素材から生成したイメージではあるが、合成時に使用するアルゴリズムのちがいや、一つの素材の違いだけで全く異なった印象のイメージになっていく。そういった作品を集めたシリーズ。

Melting Border (Straight Line)

別のシリーズとして撮影していた『Straight Line』のコンセプトを一枚のイメージの中に落とし込んでみるというコンセプトのシリーズ。

都市に存在する『直線』と自然界に存在する『曲線』が一枚のイメージの中で融解し結合していく。

Melting Border (universe on earth)

Melting Border (other works)

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